Title 
蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変りました。
白い柔やわらかな円石まるいしもころがって来、小さな錐きりの形の水晶すいしょうの粒や、金雲母きんうんものかけらもながれて来てとまりました。
そのつめたい水の底まで、ラムネの瓶びんの月光がいっぱいに透すきとおり天井では波が青じろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというように、その波の音がひびいて来るだけです。
蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので睡ねむらないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
『やっぱり僕ぼくの泡は大きいね。』
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